ばさまが他界した。
脱水症状がひどかったそうだ。腸に炎症を起こしていて、食べ物を摂取できなかったようだ。
人の最後とは、こうもあっけないものかと感じた。


私がここに養女に来て約6年の一緒の生活だった。当初はまだ元気で、会話もできた。結核で入院したり、その翌年にはお風呂場で転んで、頭を切って入院、、、寝ることが多くなるにつれて、体力の衰えと痴呆は進んでいった。家の年中行事、地域の付き合いの事、畑仕事・・・もっと沢山のことを教わりたかった。


彼女にしてあげられた事といえば、お婿さんを連れてきて、孫の顔を見せてあげられた事のみ。高齢者好みの食事は何だろうと悩んだり、生活時間の違いにイライラしたり、愚痴ばかり心に秘めていた自分に腹が立って、他に何もできなくて申し訳なくて涙が止まらなかった。


じさまとばさまは62年の連れ合い。60周年のお祝いには、6組の仲人子が来て賑やかに食事をした。夫婦これだけ長期間一緒に寝食を共にしていれば、きっと一心同体。じさまのさみしさはいかほどか。ぽっかり空いた心の穴を埋めることはできないにしても、体を気遣ってやらねば。