えべっさま(えびす講)

先日、普段の食材調達をしにスーパーに行ったら、鯛の形のはんぺんが売っていました。

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じさまは毎年11月20日頃になると、キッチンに祀ってある、えびす様を座敷に運んで来て東向きに祀って、ご馳走をお供えしていました。

「えべっさま」とか「おえべっさま」とか呼んでいました。

ご馳走は、ご飯とお汁、それからお祭りやお正月に作る糸蒟蒻と里芋とレンコンを甘辛く煮たもの、鯉をお供えするんだとじさまから聞いたような記憶があります。私が来てからは、鯉のかわりにお店にこの頃になると売り出している鯛の形のはんぺんを買って来ていました。

一晩中お供えして、翌朝、その家の長男がお供えしたご馳走を戴くことになっていたんだそうです。

 

我が家の神棚の神様は11月中は出雲にお出かけで、この日だけは、えべっさまは座敷で東向きで祀ってもらえるんだと聞きました。

そして、12月1日に出雲から帰ってきた神棚の神様から、えべっさまはほっぺにご飯粒が付いている事を指摘されるんだそうです。

 

昔からずっとこの家でやってきた事なんだろうけれど、私が次に伝えていかなければ忘れ去られてしまうこと。

こういった年中行事は、面倒で、古くさくて、なんて思っていたけど、その風習にどんな意味があって、これまでの人たちがどんな思いで続けてきたのか。先代の人たちに想いを馳せて少しでも寄り添ってみよう、という心にゆとりみたいなものが出来てきて、生前じさまにもっとちゃんと話を聞いておけば良かったと悔やみます。

訳のわからない事いつまでも続けて、なんて思わずに、毎日の暮らしに気軽に取り入れて家族との会話の話題にしたりして訳のわからないなりに楽しんでいけたらな、なんて思うことにします。